来年4月の任期満了に伴う千葉県知事選で、自民党千葉県連が擁立を目指してきた前スポーツ庁長官の鈴木大地氏(53)が出馬を断念したことが28日、分かった。県連は30日にも鈴木氏擁立を決める方向だったが、今後は候補者の再調整を迫られる。知事選の構図は再び不鮮明になった。
鈴木氏は周囲に断念の意向を伝達。鈴木氏と親しく、政界やスポーツ界に大きな影響力を持つ東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相も28日、自民党千葉県連会長の渡辺博道衆院議員と都内で面会し、鈴木氏の出馬に反対した。
渡辺氏は県連関係者に「すべて白紙に戻った」と明言。県連が30日に党本部で開く予定の千葉県選出国会議員による会合では、鈴木氏擁立が事実上決まる見通しだったが、シナリオが一気に崩れた形だ。
知事選をめぐっては、千葉市長の熊谷俊人氏(42)が出馬する意向を固め、11月2日にも出馬会見を開く見通し。森氏が反対するまでは、鈴木氏と熊谷氏による事実上の一騎打ちが予想されていた。一方、県連内でも、熊谷氏と近い石井準一参院議員は鈴木氏の擁立に難色を示していた。
現職の森田健作知事(70)は、知事選への態度を明らかにしていない。
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