【NQNニューヨーク=張間正義】27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落した。前日比222ドル19セント(0.8%)安の2万7463ドル19セントで終えた。欧米で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、行動制限の強化による景気懸念から売りが優勢だった。来週の米大統領選に向けた持ち高調整が続いたとの見方もあった。
ドイツのメルケル首相が新型コロナ拡大阻止のためレストランの閉鎖や大型イベントの中止を検討していると伝わり、欧州株が軒並み下落。米国でも新型コロナの新規感染者が過去最高水準で推移している。ニューヨーク市のデブラシオ市長は27日、年末休暇中に州外への旅行を避けるように住民に求めた。投資家心理が悪化し、引けにかけて下げ幅をじりじりと広げた。
米追加経済対策の早期成立が絶望的になったことも売りを誘った。共和党上院トップのマコネル院内総務は27日、11月9日まで上院での協議を休止する方針を固めたと伝わった。
27日朝に2020年7~9月期決算を発表した建機のキャタピラーと工業製品・事務用品のスリーエム(3M)が下げ、ダウ平均の重荷となった。新型コロナまん延が業績を直撃する航空機のボーイング、空運のアメリカン航空グループなどの下げも目立った。
一方、業績が新型コロナの拡大の影響を受けにくいハイテク株は上昇。前日に独ソフトウエア大手SAPの業績下方修正を受けた連想売りで下げた顧客情報管理のセールスフォース・ドットコム、ソフトウエアのマイクロソフトは反発した。
スマートフォンのアップルやネット通販のアマゾン・ドット・コム、SNS(交流サイト)のフェイスブックも高い。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)による買収発表があったザイリンクスは9%高となった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比72.41ポイント(0.6%)高の1万1431.35で終えた。
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