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Thursday, January 28, 2021

ゲームストップ暴騰は株価操作か、SECの判断は? - Wall Street Journal

ikanberenangkali.blogspot.com

 【ワシントン】強気なデイトレーダーが結束してゲームソフト小売り大手ゲームストップを買い上げ、ここ2週間に株価を10倍以上に急騰させた。この異様な売買を巡り、株価操作に当たるとの声が出ている。

 暴騰劇の舞台となっているのが、レディットが運営する「ウォールストリートベッツ」などのサイトだ。個人投資家がもうけを自慢し、他の投資家にさらなる買い増しやオプション取引を熱心に推奨している。規制当局がそうした動きが株価操作に当たると証明することはこれまで難しかったが、公開のサイトでこうしたやり取りが繰り広げられていることで、それが容易になる可能性はある。

 「個人投資家がソーシャルメディア上で互いにけしかけていたのであれば、これは事実上のクラウドソース型『パンプ・アンド・ダンプ(虚偽の情報を流して価格をつり上げたところで売り抜けて利益を手にする不正行為)』に相当する」。こう指摘するのは、法律事務所アーノルド・ポーター・ケイ・ショーラーのパートナー、ダニエル・ホーク氏だ。

 個人投資家は「株価を操作しようとする明白な意図を隠そうともしていない」という。同氏は米証券取引委員会(SEC)市場乱用部門の元責任者だ。

 証券を専門とする弁護士らは、SECが取引について調査するとみている。SECは27日夜、「オプションおよび株式市場のボラティリティー」を監視しており、「関連当局と連携して状況を精査する」との声明を出した。SEC報道官はこれ以上のコメントを控えた。

 当局への情報提供者はここ数週間、レディットなどのサイトで行われているやり取りを調査し、不正行為に当たらないか判断するよう規制当局に求めていた。事情に詳しい関係筋が明らかにした。

証券専門の弁護士は、SECが調査に乗り出すとみている

Photo: Gabriella Demczuk for The Wall Street Journal

 ただ、規制当局はユーザーが匿名で参加できるレディットなどのサイト上で、誰が何を言ったのか、誰がどの株を売買しているのかなどを検証する必要があり、調査は時間がかかる見通しだ。証券専門の弁護士は、小口取引を増やしていったとみられる数百人の個人投資家を提訴することは、当局にとって現実的ではないと話している。だが、問題とされる取引を中心となってけしかけている複数の個人を特定し、訴えることは可能だとみられている。

 市場操作は従来、規制当局にとって特に証明が難しいとされてきた。犯人が偽情報を流布し、株価をつり上げる意図があったことを示す必要があるためだ。ただ、ほぼ間違いなく株価を人為的につり上げた上で、無知な別の投資家に売り抜けるようなやり方で売買が成立していれば、その取引自体が誤解を与える行為だと判断される可能性もある。

 典型的なパンプ・アンド・ダンプの手法は、売買高の少ない企業の株を買い上げ、その会社の先行きについてうわさや偽情報を流し、それにだまされた投資家に高値で売って利益を得るという仕組みだ。これを仕掛けた人物が持ち高を処分すれば、株価は通常、急落するため、高値でつかまされた投資家が損失を負うことになる。

 投資銀行・金融助言会社メトセラ・アドバイザーズを率いるジョン・チャカス氏は「これは最悪とも言える市場操作だ」と指摘する。「人々は主にショートスクイーズによって理解しがたい水準までつり上げられた価格でゲームストップ株を売買しており、買い手は法外な値段を吹っかけられている」

 だが、投資家の中には、レディットのウォールストリートベッツのようなフォーラムでのやり取りは株価操作には当たらず、これまでプロ投資家にしか手が届かなかった商機をつかもうとする個人投資家の懸命な努力を反映しているとして、擁護する声もある。レディットの広報担当者は、同社では違法取引を可能にするようなコンテンツは禁じているとし、「必要であれば、法執行当局の調査に協力する」と述べた。

 レディットのフォーラム上では、2019年から個人投資家がゲームストップに関心を示し始めていた兆候がみられる。一部のユーザーは当時、強気なオプション取引のポジションをとらえたスクリーンショットを投稿。今後なぜ値上がりが期待できるか議論していた。ゲームストップは、ヘッジファンドが売り持ち高を膨らませていた銘柄だ。

 ゲームストップ株はまるでパンプ・アンド・ダンプかのように急騰してきた。偽情報によって押し上げられた兆候はみられないが、実際に誰が売買し、レディットなどに誰がコメントを投稿していたのかを規制当局が正確に把握することでしか、それを確認することはできない。

 レディットのウォールストリートベッツ上では、アマチュアのトレーダーが乱暴な言葉を使って取引について語り、市場を支配する大物投資家をたたきのめす「アンダードッグ」的な存在として自らを位置づけている。

 インタラクティブ・ブローカーズの首席ストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「これは旧時代のプロに対する新参者が収めた究極の勝利」だと指摘する。「だが旧時代のプロにとって腹立たしいのは、これら新参者がやっているような行為には関与できないことだ」

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