● 三井住友FGと三菱UFJFGは トップ5にランクイン 5月14日、青森県の地方銀行である青森銀行とみちのく銀行が2022年4月をめどとする経営統合と、24年の合併に向けて基本合意した。コロナ禍の前から過疎化や低金利の長期化で苦境にあえいできた地銀は、新型コロナウイルスの感染拡大で貸し倒れに備えた費用などがさらに収益を圧迫し、ますます再編機運が高まっている。 【ランキング6~85位はこちら!】 一方、メガバンクも安泰ではない。21年3月期決算は、株高により投資銀行事業がけん引するなど比較的堅調だったものの、長引くマイナス金利の影響で、経営体力はじわりとむしばまれている。大規模な営業店舗の削減や人員の適正化など、事業と組織の合理化を急ぎ進めている。 そこで今回は、上場している銀行およびその持ち株会社を対象に、「平均年収が高い銀行ランキング」を作成した。本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。対象期間は、19年12月期~20年11月期。それでは早速、見ていこう。
1位は、三井住友トラスト・ホールディングス(HD)で1201.3万円。前期(18年4月~19年3月)に続き、首位の座を維持した(前期の結果の詳細は、ダイヤモンド・オンライン『全国銀行員の平均年収ランキング2019、全国87行を一挙公開!』を参照)。 三井住友トラストは、銀行業界の中でも「信託銀行」という業態。お金を預かったり融資したりという通常の「銀行業務」に加えて、個人や企業の資産を管理・運用する「信託業務」を行っている。また、相続関連の業務や不動産売買の仲介業務なども行っており、一般的な銀行よりも富裕層の顧客を多く抱えているとされる。 3メガバンクグループの傘下にも三菱UFJ信託銀行やみずほ信託銀行などの信託銀行はあるが、三井住友トラスト・HDは大手としては唯一、信託専業の戦略を貫いている。 2位は、メガバンクを抑えて地銀の第四北越フィナンシャルグループ(FG)がランクイン。平均年収は1165.1万円だ。第四北越FGは、傘下に新潟県トップの第四北越銀行を持つ。17年4月に県内トップの第四銀行と2位の北越銀行が経営統合に基本合意し、21年1月に合併を完了した。 新潟県の地銀グループがメガバンクをしのぐ高年収となっているのには、ちょっとしたカラクリがある。単体従業員数を見ると、第四北越FGはたったの7人。つまり、同社のエリート中のエリートのみの年収で平均値を出しているため、グループ全体の実勢よりもかなり高めの水準が「平均年収」となっているとみられる。 3位は三井住友フィナンシャルグループで、1157.6万円。前期は2位だったが、前述のようなカラクリこそあるものの、第四北越FGに逆転された格好だ。 4位はめぶきフィナンシャルグループ(FG)で、1157.4万円。同社は茨城県の常陽銀行と、栃木県の足利銀行の持ち株会社である足利ホールディングスが16年に経営統合して発足した。 第四北越FGと同じく単体従業員数が18人と少ないため、めぶきFGもグループ全体の実勢よりも高めの年収であると考えられる。 5位は銀行業界最大手の三菱UFJフィナンシャル・グループで、1122.7万円。前期比5.2%増で、前期の7位からトップ5に昇格した。 なお、ランキング完全版では6位以下も含めた全85行の平均年収を掲載している。3メガバンクのうち、トップ5に入らなかったみずほフィナンシャルグループは何位なのか、また全国各地の地方銀行の年収はどれくらいなのか、ぜひチェックしてほしい。 (ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)
ダイヤモンド編集部/柳澤里佳
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