三菱電機が鉄道向け空調機器で、架空のデータを用いる不正な検査を行っていた問題で、架空データを用いて検査結果を自動作成する「専用プログラム」が使われていたことが1日、分かった。自動作成プログラムまで用いて不正が行われていたことから、不正が組織的に行われていた疑いが強まった。
同社によると、プログラムがいつ、どのような経緯でつくられたかなどについては調査中だという。
空調機器は、出荷に際して顧客に指定された検査を実施する必要がある。同社によると、プログラムには機器の開発段階で行われた「形式試験」でのデータが組み込まれ、検査が行われていない項目も、自動的にこれらのデータを使って検査成績書が作成されるようなプログラムとなっていた。
形式試験は製品の開発段階で行われる試験で、出荷前の検査は設計通りに製品が製造され、求められる性能や安全性が確保されているかを調べるもので、性質が異なる。検査する環境条件なども顧客から求められた条件とは異なっていたという。
同社はブレーキやドアの開閉に使う空気圧縮機約千台でも検査不正の可能性があると発表しているが、この機器の製造では同プログラムは使われていないという。
製品は長崎製作所(長崎県時津町)で製造。同社は検査不正の可能性のある空調機器の累計出荷は約8万4600台に上るとしている。
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