キオクシアはフラッシュメモリーを増産する
半導体大手のキオクシア(旧東芝メモリ)は29日、四日市工場(三重県四日市市)にフラッシュメモリーの新工場棟を建設すると発表した。設備投資は総額で1兆円規模となる見通し。次世代通信規格「5G」の本格普及に伴うメモリー需要の拡大に対応する。最先端のフラッシュメモリーの量産体制を整え、中韓勢の攻勢に対抗する。
設備投資は協業先の米ウエスタンデジタル(WD)と共同で実施する。工場建設は2期に分けて、2021年春に工事を始め、22年内に稼働する。建屋面積は合計で4万平方メートルと、同社の工場棟では最大の規模になる。四日市工場はフラッシュメモリーの主要生産拠点で今回の新設で7棟目になる。
フラッシュメモリーの市場は韓国サムスン電子が35.9%のシェアを握り、2位のキオクシアの19.0%を引き離している。キオクシアは10月に予定していた新規株式公開(IPO)を延期したばかりだが、競争力の維持に量産投資は欠かせないと判断した。岩手県北上市でフラッシュメモリーの新工場を20年春に稼働させており、本格的な量産の準備を進めている。
足元では、韓国のSKハイニックスが米インテルのメモリー事業買収を発表した。中国政府の支援を背景に中国半導体大手の紫光集団傘下の長江存儲科技(長江メモリー・テクノロジーズ、YMTC)がこの分野で技術力を高めている。
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