タイガー・マネジメントの元トレーダー、ビル・フアン氏の資産を管理・運用するファミリーオフィスは、複数のグローバルバンクからのレバレッジ(借り入れ)を活用し、巨大な「クジラ」に姿を変えた。ポジションは一時500億ドル(約5兆5000億円)を上回った可能性がある。
しかし、アルケゴス・キャピタル・マネジメントに関係する200億ドル余りのポジションがわずか数日で解消され、破綻が訪れた。野村ホールディングスとクレディ・スイス・グループを含む金融機関が関連 損失発生の可能性を警告し、レバレッジ比率の高い他の投資家がさらに市場の混乱を招くのではないかと臆測も呼んだ。
富裕層の顧客向けの融資で金融機関が痛手を被るのは、今回が初めてではない。昨年は中国の瑞幸咖啡(ラッキン・コーヒー)の共同創業者で、会長を務めていた陸正耀氏がマージンローン(証券担保融資)5億1800万ドルの債務を履行できなくなった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)発生で相場が急落した場面では、一部ブローカーが顧客に 追加の担保の差し入れを迫った。
最新の情報開示に基づく ブルームバーグ・ビリオネア指数の分析によれば、世界の資産家上位500人の10%余りが合計1630億ドルの担保に株式を充てており、これは4年前の約380億ドルを大きく上回る。
株価が上昇し、ローンファシリティーの価値を担保価値が上回り続けることが確実な強気相場なら、株式を担保として差し入れても比較的安全だ。しかし、株価が下落に転じれば、借り手はマージンコール(追い証の請求)に直面し、デフォルト(債務不履行)回避のために資金を準備するか、投げ売り価格で資産の処分を迫られかねない。
フアン氏を今回襲ったのは、まさにそうした事態だ。大量の株式取得のために同氏は実態の分かりにくいデリバティブ(金融派生商品)を利用していた。グレート・ヒル・キャピタルのトーマス・ヘイズ会長は「アルケゴスが運用するポジションは大きく借り入れに依存し、集中度が高い」と指摘した。
原題: Archegos Fiasco Is Latest Reminder How Superrich Love Leverage(抜粋)
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