男性の育児休業取得を促進するために提案された改正育児・介護休業法などが6月3日、衆議院本会議で可決され、成立した。 厚生労働省の調査では、過去5年間に育休などを取得しようとした男性のうち26.2%が上司から嫌がらせを受けるなどの「パタニティハラスメント(パタハラ)」被害にあっていたことがわかった。そのために、育休取得を諦めるという実態も浮かび上がる。 これまでも、企業で働く人であれば男性でもほとんどが育休を取得する権利があった。にも関わらずこれまで、取得率は伸び悩んでいる。 新しい法律では、取得の障壁となっていた職場の雰囲気を変えることで、育休取得を促進していくことを目指している。
2022年4月から変わり始める、5つのポイント
具体的に、法改正で変わるのはどのような点なのか。男性だけでなく、女性の育休取得に関わる部分もある。 ポイントは以下の5つだ。 男性が柔軟に育休を取得できるよう、産後8週間を対象とした「出生時育休」(最大4週間)の制度を新しく設ける。2週間前までに申請すれば取得可能で、あらかじめ予定されている就労は可能。(2022年秋から) 企業に対して、妊娠や出産を申し出た従業員(男女問わず)に育休制度の周知や取得の意思があるかの確認を義務づけ。男性でも女性でも「育休はとる?とらないの?」と企業側から聞かなければならなくなる。(2022年4月から) 大企業(従業員1000人を超える)には、男性の育児休業取得率を毎年公表するよう義務づける。(2023年4月から) 男女問わず、1歳までに育児休業を2回に分割して取得できるようになる。要件を満たせば、1歳以降もさらに分割が可能になる。「出生時育休」と併用すれば、男性は1歳までに計4回の育休取得が可能になる。(2022年秋から) 男女問わず、1年以上の雇用が育休取得の条件だった有期雇用の労働者について、その要件が廃止される。ただし、労使協定で締結された場合は対象外とすることも引き続き可能(2022年4月から)。
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