【NQNニューヨーク=戸部実華】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比94ドル28セント高の3万5913ドル84セント(速報値)で終えた。連日で過去最高値を更新した。前週までに市場予想を上回る米企業決算の発表が相次いだ。米景気や企業業績に対する楽観が広がり、株買いを支えた。ただ、3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて様子見ムードも強く、朝方の買い一巡後は伸び悩んだ。
QUICK・ファクトセットの前週末のまとめによると、米主要500社の56%が2021年7~9月期決算の発表を終え、そのうち82%の企業で1株利益が市場予想を上回った。1日に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した10月の米製造業景況感指数は60.8と市場予想(60.3)を上回り、好不況の境目とされる50を大幅に上回った。
景気敏感株を中心に買われ、化学のダウや航空機のボーイングの上げが目立った。建機のキャタピラーや半導体のインテル、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスも高い。米長期金利が一時前週末比0.05%高い1.60%を付け、利ざや改善期待から金融のゴールドマン・サックスも買われた。
買い一巡後は上値が重い展開となった。米主要3株価指数が過去最高値圏で推移し、短期的な過熱感から利益確定売りも出やすかった。米連邦準備理事会(FRB)は3日のFOMCでテーパリング(量的緩和の縮小)の決定を発表する見通し。会合後に出る声明やパウエル議長の記者会見でインフレへの認識を確認したい投資家が多く、積極的な買いが手控えられた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6日続伸し、前週末比97.526ポイント高の1万5595.915と過去最高値を更新した。
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