ＳＭＢＣ日興証券の複数の社員らが、特定の銘柄の株価を維持するために不正な取引を行った疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反（相場操縦）の疑いで強制調査に乗り出したことが関係者の話でわかった。監視委は関係先として東京都千代田区の同社本社を捜索した。社員らは監視委の事情聴取に取引の違法性を否定しているという。
関係者によると、社員らは数年前から、立会時間外での売買を仲介する「ブロックオファー」と呼ばれる取引を巡り、売り主から依頼された複数の銘柄について不正な取引を繰り返し、意図的に株価を維持していた疑いが持たれている。
ブロックオファーは大量の保有株を一度に売却できる取引で、時間外で行われるため、株価の変動が少ない。ただし、買い手が付いた日の終値が、売り主が依頼した時点の株価を下回った場合は、売買が成立しない可能性もある。監視委は売買を成立させるため、社員らが株価を維持させようとしたとみている。
本社の捜索は６月に行われており、監視委は検察当局への告発を視野に押収資料の分析を進めている。
ＳＭＢＣ日興証券は２日、「証券取引等監視委員会の調査を受けていることは事実。調査に協力していく」とするコメントを出した。
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