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Wednesday, March 3, 2021

ソフトバンクG出資のグリーンシル巡り急展開、昨年から問題露呈 - ブルームバーグ

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The Tokyo Portcity Takeshiba building, which houses SoftBank Group Corp's headquarters, in Tokyo, Japan, on Friday, Feb. 5, 2021. SoftBank Group is scheduled to release earnings figures on Feb. 8.

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

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2020年は英金融サービス会社グリーンシル・キャピタルのビジネスモデルが外部から検証された年だった。

  創業者レックス・グリーンシル氏の名を冠した同社は、高い企業価値を追い風に資金を求めていた。サプライチェーンファイナンス(SCF)を手掛けるグリーンシルは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で代金を早めに受け取る必要のある小さなサプライヤーの資金ニーズがあらわになったと訴えた。

  だが昨年7月、オーストラリアの保険会社がグリーンシルが提供した融資を対象とした保険契約の更新を拒否。同じ頃、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)がブレーメンで急成長しているグリーンシル設立の銀行に対する調査を開始した。

  この2つの出来事で問題とされたのはリスクだ。特にBaFinはグリーンシル氏に近い実業家サンジーブ・グプタ氏との関係に注意を払った。同氏はグリーンシルの早くからの顧客であり投資家でもあった。同氏率いる企業への融資が両氏のコングロマリットの成長を後押ししていた。

  「金融をもっと公平に」とうたい10年前にスタートしたグリーンシルは、ソフトバンクグループやクレディ・スイス・グループなどの投資家やキャメロン元英首相のようなアドバイザーを引き付けた。

Lex Greensill

レックス・グリーンシル氏

  そうしたグリーンシルを巡る急展開は、融資を受けている企業で働く多くの人々の雇用を脅かし、国際的な企業のサプライチェーンのみならず英国の医療制度さえも混乱させている。

  つい昨年まで70億ドル(約7500億円)との評価を受けていたグリーンシルだが、今は英国で破産手続きを始める方針だ。同時に保険会社アテネ・ホールディングおよび同社に出資する投資会社アポロ・グローバル・マネジメントへの事業売却も探っている。BaFinはドイツにあるグリーンシル銀行を閉鎖し、不正会計の疑いがあるとして捜査当局に告発した。

  豪州に家族が持つ農場で働いた経験からSCFに関心を抱いていたグリーンシル氏は、10年余り前の金融危機後の数年間で急成長した分野で独自の市場を切り開いた。高リスクの融資慣行に関する規制の順守が一段と煩雑になり、銀行が中小企業への貸し出しから撤退を進めていた時期だった。

グプタ氏との関係

  金融危機後の景気浮揚を図りたい英国の議員たちにとって、SCFは完璧な解決策のように見えた。12年には当時のキャメロン英首相が中小企業向けファイナンスの迅速化を狙ったSCFプログラムを発表。グリーンシル氏は同プログラムの英政府アドバイザーとなり、17年には経済に貢献したとして勲章も授与された。

  モルガン・スタンレーとシティグループで働いた後、グリーンシル氏は自身の会社を11年に始め、ソフトバンクグループから15億ドルを調達。同氏と数年にわたり極めて近い関係にあるのが、インド出身の英実業家グプタ氏で、経営難の製鉄所を買い取る同氏を英メディアはかつて「鉄鋼の救世主」と呼んだ。BaFinの調査では、グプタ氏のGFGアライアンス・グループと関連し、グリーンシル側が手配した長期プロジェクトファイナンス債が調査の中心対象となった。
  
  BaFinは昨年、会計事務所のKPMGを起用し、グリーンシル銀行の犯罪関連調査に着手。グプタ氏に最終的につながる資産が同行の帳簿にあまりにも多く記載されていることを懸念したためだ。
  
  元商品トレーダーのグプタ氏が率いるGFGアライアンスは、同氏や親族が所有する事業体が緩かに結びついたコングロマリットだ。鉄鋼やアルミニウム、再生可能エネルギーなどに広がる同社事業の大半は急ピッチで展開され、英スコットランドから米サウスカロライナに至る一連の取引や投資に5年間で約60億ドルが投じられた。その対象の大部分は、多大な投資を必要とする老朽化した誰も欲しがらない資産だった。

  グプタ氏は昨年10月、GFGアライアンスにとって最大の貸し手はグリーンシルだとブルームバーグ・ニュースに述べていた。

Greensill Exposure

Credit Suisse's frozen funds tied to Greensill include SoftBank links

Source: Credit Suisse fund reports, positions as of Jan. 21

  KPMGは調査で、グプタ氏が関係する資産に絡む架空取引などの不正を突き止めた。BaFinは声明で「グリーンシル銀行はGFGアライアンスから買い取った売掛金が存在するという証拠をバランスシートで示すことができないことが発覚した」と指摘した。
  
  グリーンシル側は3日遅く、英国とドイツの法律事務所から資産の分類方法について「詳細なアドバイス」を受けていたとするコメントを発表。BaFinから会計処理が認められないと昨年遅くおよび今年初めに伝えられてからすぐに対応したと説明した。

  グリーンシル銀行の広報担当者は電子メールで、同行は「資産を分類するアプローチおよびそうした分類を決める手法に関し、常に当局および監査法人に情報を開示している」とコメントした。

原題: Greensill’s Overnight Fall From Grace Was Months in the Making(抜粋)

(9段落目以降を追加して更新します)

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