山陽新幹線徳山駅前の大通りを10分ほど歩くと、第一生命徳山分室がある。顧客から19億円をだましとった疑いのある元女性社員(89)は、ここに専用の個室を持ち、営業の拠点とした。社内調査で後に「権勢を誇示」と評されたが、最近までの住まいは近所のごく普通のマンションで、華美な様子はない。
「訪問してきた翌日には必ず直筆のお礼状が届いた」「訪問してきた時、忙しいと状況を察してそっと帰る人だった」。関係者によると、第一生命の調査では被害客からこうした声も出た。ある知人は、年末の宝くじで10万円当たり、大喜びする元社員の姿が印象に残っている。同僚らにすべてお年玉として渡し、「みんなが喜んでくれればいい」と満足げだったという。養護施設へ寄付していた、と証言する人もいる。
19億円を何に使っていたのか、真相解明は山口県警の捜査を待つほかない。ただ、社内調査などでは「ギャンブルや金融商品、高額な私財の購入はなかったようだ」(関係者)という。「高額な利息や返済にあてるためにさらに勧誘をする」(同)といった悪循環に陥っていたと考えられる。
被害が雪だるま式に膨らむ前に防げなかったのか。実は第一生命は2017年に不審な情報を得て、実態調査を始めていた。
「特別枠は本当に存在するのか」
17年8月、徳山分室を山口銀…
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