総務省幹部らが業界関係者から、またも高額な接待を受けていた疑惑が明らかになった。
谷脇康彦総務審議官らが今度は、NTTの社長らと会食し、飲食代を負担してもらっていた。
NTTは総務相から事業計画などの認可を受けており、利害関係者からの接待を禁じる国家公務員倫理規程に違反する可能性がある。同省は調査を始めた。
谷脇氏は2018年以降に3回会食したことを認めた。巻口英司国際戦略局長は昨年6月に会食したことを、同省の調査に認めているという。
最初に報じた週刊文春によると、飲食代の総額は谷脇氏の3回で計58万円超だったという。昨年6月の会食は33万円で、これには総務審議官だった山田真貴子前内閣広報官も参加していたという。
谷脇氏と山田氏は、放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男らからも、飲食代などの接待を受けていた。
国会で谷脇氏は、NTTから示された金額を支払っており、倫理規程には抵触しないと認識していたと説明した。このため、東北新社以外の放送や通信の事業者とは倫理規程に違反する会食はしていないと答弁してきたという。
だが、利害関係者との会食は、割り勘であっても自己負担分が1万円を超える場合は事前届け出が必要だ。谷脇氏は届け出もしていなかった。倫理規程の趣旨を理解しているのか疑わざるを得ない。
谷脇氏は、総務省に強い影響力を持つ首相に近いことで知られる。政権の看板政策である携帯電話料金引き下げの旗振り役だ。
首相は官房長官時代に「携帯料金は4割値下げできる」と発言し、通信事業者に値下げを迫った。一連の接待が始まった時期と重なる。関係はないのだろうか。
NTTは菅政権の発足後、NTTドコモを完全子会社化すると発表し、社長も交代させた。携帯料金値下げに応じる考えも示した。
もはや官僚の倫理問題にとどまらない。官業の異様な癒着の構造にメスを入れなければならない。
ところが、首相は「総務省が徹底して調査をされると思う」と答弁するだけだ。疑惑の全容解明に努め、国民の政治不信を払拭(ふっしょく)すべきだ。
からの記事と詳細 ( 社説:NTTも総務官僚接待 根深い癒着構造の解明を - 毎日新聞 )
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